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暇な私立文系大学生のブログ。

中国旅行記② 咸陽・西安

朝が来た。体の中で1時間混乱が起きていて、8時に起きるつもりだったのだが、7時くらいに何度も目が覚めた。

今日は西安の散策が予定されている。ここぞとばかりにチャイナっぽい服を着て、ジーパンを履いて、軽く化粧して準備完了。

マイクロバスで移動して、咸陽の庶民的な朝ご飯を食べた。

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名前もどういう肉かも知らないけどおいしかった。でもパクチーはちょっと苦手。外に出て看板を見てみると「水盆羊肉牛羊肉泡」の文字。なんとなく想像できるようなできないような。結局あのお肉はなんの肉だったんだろう。私は知らないうちに羊を食べていた?

Cさんがクルミとナツメをくれた。

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クルミはお店の人がその場で割ってくれていた。乾燥しきれてない感じ。苦い。ナツメは水分量が少なめのリンゴのような感じがする。小さくて食べやすい。結構好きかもしれない。

この後そのまま周陵に行った。周の王様のお墓。殷周秦漢の周。

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大殿の中にはでっかい文王ともう2人くらいの像があった。誰の像だったかは忘れてしまった。照写禁止という看板があって、フラッシュ禁止ってこと?とCさんに尋ねたら写真禁止という意味らしい。Cさんは動画撮ってた。いいのかそれ。来年には動画禁止の看板も追加されてるかもね~とか言ってた。本当に大丈夫?

Cさんは時節、置いてあるものや建物について解説してくれるのだけど、声がほとんど聞こえない。後ろの方になるとほぼ聞き取れないので諦めて写真を撮っていた。

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Cさんは自分でも認めるほど声が小さいのだ。あと地元の子供の兄弟がちょろちょろ割って入ってくるので気がそれる。元気だね。お父さんが見守っていてたまに怒ったように声を張り上げるけど彼の声が聞こえているけど聞こえていないらしい。どこまでも走っていくし、全力でおもちゃの剣を振り回している。元気だね。

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そのままさらに奥に行って小道を渡り、階段を上ると開けた草原に出た。

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草原を道なりに進むと視界がさらに開ける。奥の階段の下には石の道が続いていて、続く先には小高い丘がある。

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周りは夏らしい緑が茂っていて、その向こうには街が並び、西安空港に向かう飛行機が見えた。日差しは暑いけれど、風は涼しい。ずいぶん気持ちよさそうなお墓だった。

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その後、アイスを食べて西安まで移動した。道中は建てかけのマンションだかビルだかがいっぱいあるし、同じような建物がいっぱい建っている。

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西安は昔は長安と呼ばれていた。漢や唐、その他宋までの様々な王朝が都をおいた都市だ。日本の平安京平城京長安に倣ってつくられたし、中国には「100年の歴史を知るなら上海、1000年の歴史を知るなら北京、4000年の歴史を知るなら西安」という言葉があるらしい。それほど西安は歴史深い街なのだ。シルクロードの起点とも言われる。

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西安の内側の城門(外側にも城門があって、そっちの方が古いらしい)を抜けてホテルにチェックイン。

今日のホテルは「塞納河艺术酒店」英語だとLA SEINE ART HOTELセーヌ川芸術ホテル。どういうこと?

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部屋に荷物を置いて自由に西安を散策する。またも同じ部屋だったTと、Tと仲がよさそうなMと3人で連れたって行った。屋台がいっぱいあって食べ歩きができるらしい回民街を目指していたが、めちゃくちゃ迷っていた。西安は鐘楼を街の中心において、そこから東西南北に大通りが伸びるわかりやすい構造をしているはずだけれど、めちゃくちゃ迷った。私たちは誰一人海外用Wi-Fiを契約せずに来たのでネット環境がなく、google mapに頼ることもできなかった。英語も通じない中国人に尋ねたり、怪しげな道を通ってようやく回民街に到着。中国の文化というよりも西域の文化の風を感じる。

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昔、西安シルクロードの起点なだけあって、様々な文化や人がやってきていた。その中にイスラム教(回教)もあり、回族はそのイスラム教を信仰する民族集団。回族の居住地にできたのが今回の目的地である回民街である。高校の世界史では、なぜイスラム教が中国で回教と呼ばれるのかというのは、スーフィズムの回旋演舞から来ているという説明だったはずだけれど、今こっそり調べたら諸説あるらしい。でも一番それっぽい説だと思う。

豚肉を食べることが禁じられているイスラム教らしく、羊の蹄とか羊肉が多めに売られているような印象だった。食べたものをざっくり後々調べた情報も付随して紹介する。

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飲むヨーグルト。酸奶(スァンナイ)というらしい。唯一覚えた中国の食べ物の名前。今回の旅の中でたぶん3本くらい飲んだ。10~12元くらい。(今回の旅の中でのレートは1元=16円でざっくり計算した)

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镜糕(ジンガオ)。もち米のお菓子。ジャムとかゴマとかつけるっぽい。もち米そのものは甘くない。

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桂花糕(グイホアガオ)。見た目は完全にカステラだけど触感はすごくもち米。たぶんもち米で作ったお菓子。もちもち。全然甘くない。ちょっと酸味がある。

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めっちゃ煙が出てるお菓子。これ売ってるお店はTikTokのアイコンを屋台に貼ってたので多分TikTokで人気。食べると口や鼻から煙が出てくる。味は虚無。随分俗っぽいものを食べてしまった。

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炒酸奶冰淇淋(チャオスァンナイビンジーリン)。ヨーグルトと果肉を混ぜたロールアイス。アイスだけかなと思ったら終わりに小豆やらドライフルーツやらマンゴーやらいろいろ乗せてくれた。甘くておいしい。

それからザクロジュースもそこかしこで売っていたけど、私は読んでいる途中だった『石榴』の硫酸殺人事件の被害者を思い出してしまい、あまり飲む気になれなかった。

この後、回民街を歩いていたら、謎の鳥を見つけた。

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なんだろうあの鳥。結構大きいけど悠々と歩いている。引きで見ると看板には高家大院の文字。中国に来る前に西安地球の歩き方を参照したのだが、そこに乗っていた気がする。科挙に合格した高岳という人物の家で、伝統影絵の上映もしているらしい。影絵見てみたいねとTと2人で入った。Mは興味ないらしい(Mは嫌なことは嫌だとはっきり言える人物なので、尊敬する)。

影絵の上映付きだと1人30元なので、2人で30元ずつ計60元出したのだが、入り口のお姉さんはなぜか30元しか受け取ってくれなかった。2人で頭に???を浮かべながら影絵の上映場所を探す。広いしかなり雰囲気がある。焦りながら歩き回っていたら(1時間ごとに1回しか上映されず、上映時間を数分過ぎていた)、観光客っぽいお兄さんが指さして建物を教えてくれた。入り口でよし入るぞ、と入ろうとしたらお姉さんに首を振られた。ここで入り口の30元の謎が解ける。入るだけなら一人15元なのだ。影絵を見ないと思って、入り口のお姉さんは30元しか受け取ってくれなかったのだ。2人で痛恨のミスを悟り、言語の壁に打ちのめされながら、中をうろうろして鳥の写真を撮って出た。

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近くに清真大寺(モスク)があるらしいので向かう。教科書で見た清真大寺を生で見ることになろうとは、高校生の頃の私は思いもしなかっただろう。中国史そこまで興味なかったから。清真大寺自体は回族の多い地区なら結構どこにでもあるけど、この清真大寺は唐の時代にできた中国最古のモスクなのだ。

人に道を尋ね、一層西域の雰囲気が強くなった道を抜けながら清真大寺にたどり着いた。入り口で入場券を買う。25元くらいだった気がする。おつりは隣の人との会話に夢中なヒジャブを被ったおばちゃんに投げて返された。

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清真大寺は中国風建築のモスクだった。建物自体は中国的な雰囲気を感じるのに、像がなかったり、アラビア文字の石碑だったり、そこかしこにイスラム的要素が散らばっている。

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回民街はあれほど賑わっていたのに、ここは人もまばらで閑静で、対照的な雰囲気に少し戸惑った。そこまで広くもなく、集合時間までの時間も残り少なかったのでさっくりと境内を一周してホテルまで戻った。

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(中国式ミナレット)

集団行動で歩いて南門近くの碑林地区に向かった。固いパンに肉を挟んだ肉夾饃(読み方がわからないので私はずっと英語で書いてあったchinese hamburgerと呼んでいた。今調べたらロージャンモーというらしい。西安の名物。)を、これが有名な食べ物、と言われてCさんにもらって食べた。これ昼にも食べた。本当にあちこちにあって、Tは西安にいる間多分5個ぐらい別の店で食べていた。

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碑林地区から大雁塔まで4人1組になってタクシーで向かった。降ろされる場所がまちまちなので合流できる気がしない。いったん合流は諦めて今回の目的である大雁塔の目の前の噴水ショーを見た。光と水のコラボレーション。金がかかってそうだ。見ている人が一斉にスマホやカメラを取り出して撮っていた。西安という古都に対してあまりにも現代的な光景で笑ってしまった。かくいう私も撮った。

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奇跡的に全員合流できたので大雁塔の方へ歩いた。ちなみにいうと、大雁塔は玄奘三蔵法師)が西域から持ち帰った経典を収めるために作られた建造物である。もうとっくに閉まっている時間だったので周囲を散策したけれど本当にお土産を売っている屋台が多い。屋台はめちゃくちゃ多いが内容はだいたい一緒で値段もだいたい一緒。10元だとか20元だとかボロボロ売っていて、ぼられてるのかもしれないけど値切る必要も感じないほど安い。ここでは何も買わなかったけど、帰りに笛を2つ買った。

黒い方が10元で赤い方が20元。絶対帰ったら使わないとわかっているけど160円と320円かと思うと買っていた。誰かのお土産になっているかもしれない。穴の抑え方についての紙も貰った。試しに吹いてみたけどそこはかとなく音階になっているような気がしないでもない。まあそんなもんだろう。

夜は火鍋を食べた。まじで今まで食べたことないくらい辛かった。人生初の辛さ。

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赤いほうは本当に本当に辛くてしばらく舌がしびれていて、あとから食べた赤くない方が辛いのか辛くないのかもわからなかった。四川省出身のCさんの娘Zちゃんは平気な顔をしてパクパク食べていた。強い。

あと青島ビールも飲んだ。日本のビールよりあっさりしていて飲みやすいような気がする。あまりビールは好きじゃないので味を伝えるのは難しい。ちょっとだけ飲んであとはずっとオレンジジュースを飲んでいた。このオレンジジュース、多分ロゴ的にミニッツメイドなんだけど日本のものと違ってたくさん果肉が入ってる。味は一緒。

火鍋を食べた後は各々タクシーでホテルまで帰ってきた。24時くらいにホテルに帰ってきたけど、23時半くらいの大雁塔周辺はずっと明るかった。西安は夜でも明るい街だ。

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私たちが乗ったタクシーは15元前後だったけど、あとから聞いたら40元とられた組もいたらしく、やっぱりタクシーってぼられやすいんだなと実感した。ぼられてると思っても言葉通じないし値下げ交渉も難しいな。

夜はその後Zちゃんの誕生日会をした。この日が誕生日だったのだ。何やら目標を述べていた。なんて意識が高い子なんだ。中学生の自分はこの子を見て何を思うんだろう。マンゴスチンと平べったい桃も食べた。マンゴスチンはライチをもっととろっとさせた触感がした。甘い。平べったい桃は普通に硬めの桃だった。

明日は15時まで自由行動。ホテルの自分の部屋に戻ってシャワーを浴びた。今日のホテルはちゃんと段差もドアもあって安心した。10時にホテルのロビーに集合することを約束しあってベッドで就寝。今日のことを振り返る余裕もなく一瞬で落ちた。